中等部って何するところ?

ついに2025年度も終わりを迎えました。今年は地域の学校に進学する子どももいて、
  ぐるり史上初めて、本当の意味での卒業生を見送るときが来ました。
  寂しさもありますが、彼らならどこでも前を向いて進んでいけると誇らしくもある複雑な気持ち。
  また長期休暇やサマーキャンプなどで会えることを心待ちにしています。

  今月は中等部の発表がありました。中等部自体は昨年度からありましたが個別のプロジェクトが多かった

  去年と違い、今年度からは中等部みんなで同じ目的に向かって取り組むことをテーマにしました。
  理由は単純明解。中等部ではより、『自分という器を拡張するということ』を目的としたいから。

  具体的にはぐるり内にとどまらず、社会の中で社会を学べるプロジェクトをしようと考えました。

  これは何も、「努力しろ!」とか「もっとがんばれ!」ということではなく、
  これまで小等部で肥やした土台があるからこそ、見える視座があり、視点がある。
  それに見合った経験をたくさん積んで、気づいたら1年前では考えられなかった自分になっているということも
  大切にしてほしいという思いからです。

  もちろんたくさんの経験の中で自分自身が主体的に見つけたもの、取り組みたいと思ったものを選択することへの

  美学は承知の上です。

  僕自身も自分で初めて選択した留学という機会が自分の人生の最も大きな経験だったことを自覚しているので、

  子どもたちにも自由を提供し、自分の主体的なワクワクから得られるものを培ってほしいという思いもあります。

  

  一方で、何もすべて「こんな自分になりたい!」や「こんなことしたい!」

  という原動力だけでなく、「みんなとならやってみるか」という何となくのスタートからでも

  子どもたちはたくさんのことを学んでいくと思っています。

  そして、その主体的な学びの質と、何となく始めた学びの質の違いに気づくにも、ある程度どちらの経験も

  必要なんだと思うので、遠回りに見えてどちらも経験することが一番の近道になるとも思っています。

  そんなこんなで始めた今年度の中等部は「食」について雑誌を作るということ。添加物や無農薬など
  一般的な子どもたちよりもその辺のリテラシーが高いぐるりの子どもたちが、生きることをテーマにしたときに

  一番共通項の多いテーマかなと思い、スタートしました。
  実際開始する前は、もっと嫌々言うかなと思いましたが、さすがにたくさんの経験を経た中等部メンバーは

  案外スタートはやる気もあり、議論は思いのほか膨らんでいました。

  ただ、時が経つにつれて、主体的な取り組みとして中等部を捉えている子どももいれば、

  なんとなくみんなやってるから続けている子どもも出てきます。

  もちろん伴走している身としてはみんなが前者になるように思考を巡らしますが、

  でもそれでもいいと思っている自分もいたりします。

  それは言うまでもなく、上記に記した通り、主体的な学びもなんとなくの学びもどちらも経験してこそ、

  一番の近道なのではと思っているからです。

  ある子どもにとっては、今は前者の学びであり、またある子どもにとっては後者の学びであった。

  それらがどう作用するかは、ミライになってみないと分からないですが、

  その両方の子どもたちがいるからこそ、お互いで刺激し合って大きな成長という名の化学反応がおきると

  考えています。

  今回作った雑誌は紛れもなく子どもたちが主体で作った雑誌です。また完成して製本できましたら、

  皆様にもお届けできるようにしますので今しばらくお待ちください。

  来年度も引き続きよろしくお願いいたします。    

                                                荻洋仁